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商品ではなく含有成分の広告でも措置命令を受ける?

1 はじめに

景品表示法では、「商品の」品質などについて、著しく優良であると示す表示を、優良誤認表示として禁止しています。

そのため、これまで優良誤認表示を理由として措置命令が出されるのは、すべて具体的な商品についての広告でした。しかし、2019年11月1日、消費者庁は、これまでと異なり、健康食品について、具体的な商品ではなく、含有成分に関する広告に対し、措置命令を行いました。

 2 背景事情

このように、具体的な商品名を記載せず、含有成分についてだけ記載する表示は、非常によく見られます。その理由は、景品表示法ではなく薬機法にあります。

薬機法においては、健康食品について医薬品的効能効果を広告することは禁止されています。しかし、薬機法の適用対象となる広告は、①誘引性、②特定性、③認知性の3つの要件を満たすものに限られます。

このうち、②特定性とは、当該広告において商品名が明らかにされていることを意味します。そのため、健康食品の商品名を明らかにせずに、含有成分について医薬品的効能効果を表示しても、薬機法違反とはならないのです。

3 含有成分の表示が薬機法違反となる場合

しかし、実際に事業者側が意図しているのは、含有成分の医薬品的効能効果と、具体的な健康食品の商品とを、消費者側で結び付けてもらうことにある場合がほとんどです。そのため、事業者としては、両者を結び付けるべく様々な工夫をするのですが、そのような工夫が薬機法に違反することがあります。

例えば、最近では、含有成分の医薬品的効能効果を記載しているウェブサイトに、当該成分を含有している健康食品の購入サイトへのリンクを張り、遷移することができるようにしていた事案において、両者が実質的には一体の広告であると判断され、薬機法違反で摘発されるということがありました。

 4 含有成分の表示が景品表示法違反となる場合

実は、前述した措置命令も、薬機法の場合と同じように考えることができます。前述の措置命令は、単に含有成分の表示だけを取り上げて優良誤認表示と判断したわけではありません。

この事案では、まず、ウェブサイトにおいて「ブロリコ」という成分について、免疫力の向上や、病気の治療・予防効果があるという表示をしていました。消費者は、当該ウェブサイトを通じて「ブロリコ」に関する資料請求をすることができ、資料請求があると、「ブロリコ」についてウェブサイトと同じような表示がされた冊子やチラシに加え、具体的な商品の注文はがき付きチラシと、当該商品の無料サンプルが送付されるという仕組みになっていました。

消費者庁は、そのような全体の仕組みを捉えて、ウェブサイトや冊子、チラシについても、具体的な商品に関する広告であると判断し、優良誤認表示と認定したのです。景品表示法においては、このような判断は初めてのものですが、薬機法の観点からは、従来から行われていた規制の延長と考えることもできるでしょう。
 

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最近弊所によくご相談があるのは、売りたい商品のページには効能効果は出さず、別で立てたメディアサイトにその商品の効能効果の根拠となる論文や成分データを掲載する手法。このような商品と効能効果ページを切り離して広告する手法は薬機法に違反しないか、というご相談です。

これは貴社の販売する商品と成分ページがどう結びつくかが焦点となってきます。成分ページと商品広告が一体とみなされないよう注意を払う必要がありますので、どういったスキームで商品を広告、販売していけばよいかご心配な方は是非丸の内ソレイユ法律事務所へご相談下さい。

これでは何も訴求できない、どんな風に書けばいいのかわからないーそのようにお悩みの方、企業の販促・プロモーション・広告担当の方、弊所は法律に則った訴求表現のアドバイスもさせていただくことが可能です。

広告は文章だけでなく、広告全体から判断されます。
近年、景品表示法に基づく措置命令や課徴金納付命令が多く出されており、ナンバーワン表記や二重価格表示、そして「飲むだけで痩せる!」などの事実と異なる表記への取り締まりが一層強くなっているのが現状です。

加えて、美容健康業界の企業様は、事実に反する表示での景表法違反にも注意ですが、よくご質問を頂くアンチエイジング系の若返りワードや、肌色を変える美白系のワード、ビフォーアフター写真のような若返りを暗示する写真やイラストでの表現も薬機法違反の対象となりますので注意が必要です。

弊所では広告・プロモーション法務に詳しい弁護士が多数在籍しており、皆様のご不安に寄り添うことができます。
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