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景品表示法とアフィリエイト広告

アフィリエイト広告における法規制と注意点

「アフィリエイト広告」という言葉を耳にすることがあるかと思います。アフィリエイト広告とは、インターネットにおける「成果報酬型の広告」であり、ある商品を売りたいと考えた企業が、自ら広告を出すのではなく、アフィリエイト・サービス・プロバイダ(以下、「ASP」といいます)に対して、広告の出稿を依頼し、ASPがアフィリエイター(アフィリエイト広告を作成して報酬を得ている人)に依頼して広告を出すというものです。

アフィリエイト広告にも規制が始まりました

商品の販売数や広告がクリックされた数に応じて報酬額が決まるため、アフィリエイターは顧客の目を引くために、ついつい虚偽・誇大広告やその他の法律に抵触した広告を作ってしまうという現象が起きており、社会問題化されています。

特に、事実と異なる表示を規制する法律として、景品表示法があります。しかし、同法の規制の対象が、商品を販売したりサービスを提供したりする企業に限定されており、このような広告を作成するASPやアフィリエイターは対象外であるため、これまでアフィリエイト広告については措置命令が出ておりませんでした。

しかし、2016年6月30日に消費者庁が公表した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」において、アフィリエイト広告についても景品表示法の規制を受ける可能性があることが示されました。その公表資料によると、「アフィリエイトサイト上の表示についても、広告主がその表示内容の決定に関与している場合(アフィリエイターに表示内容の決定を委ねている場合を含む。)には、広告主は景品表示法及び健康増進法上の措置を受けるべき事業者に当たる。」として、ASPやアフィリエイターを利用している企業が景品表示法の規制を受けることが明示されました。

そこからしばらく経ち、2021年3月3日、消費者庁が初めてアフィリエイト広告について景品表示法違反で措置命令を出しました(対象商品は育毛剤でした)。

公表された違反命令の概要を見ても、広告主はASPを通じて「本件商品に係る本件アフィリエイトサイトの表示内容を自ら決定している」と当然に認定され、その詳細な理由は示されておりません。一部報道にも出ていますが、消費者庁表示対策課はアフィリエイト広告を特別扱いするつもりはなく、広告代理店に委託して新聞広告を出す場合と同様だと考えているとの話もあります。

アフィリエイト広告で注意すべきこと

アフィリエイト広告について責任追及されないためにも、広告主側は次の点について改めて注意する必要があります。広告主がその広告の表示内容を自ら決定していると認定される場面は、大きく二つあります。

  • ①アフィリエイター(又はASP)と一緒に広告を作成した場合
  • ②広告内容をアフィリエイター(又はASP)に委ねている場合

これらに該当しないための広告主側の対策としては、法令遵守のガイドラインを交付したり、違反広告を誘発するような素材を提供しない、適宜違法なアフィリエイト広告の取下げを求めたり、といったことが考えられます。

ちなみに、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「薬機法」といいます。)についても、アフィリエイト広告で摘発事例があります。2020年7月20日、「肝臓疾患の予防に効果がある」と表示したサプリメントのアフィリエイト広告を作成した容疑で大阪府で逮捕者が出ました。逮捕されたのが、アフィリエイト広告を依頼した広告主だけでなく、広告代理店の従業員も含まれているという点も業界の関心を高めています。

ちなみに、薬機法の虚偽誇大広告について、2021年8月から措置命令及び課徴金制度が実施されることとなっており、今後、景品表示法と同様に摘発事例が増えていくことが予想されます。

アフィリエイト広告は費用対効果から利用している企業が増えているものの、思わぬ形で摘発されてしまう可能性があります。自らが作成した広告でないとしても、規制の抵触に留意しなければなりません。これを肝に銘じていただければと思います。

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