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【令和6年2月】太陽光発電システム機器等の販売施工業者3社に対する景品表示法に基づく措置命令について解説

はじめに

消費者庁は、令和6年2月27日と29日と立て続けに、太陽光発電システム機器等の販売施工業者(株式会社新日本エネックス、株式会社安心頼ホーム、フロンティアジャパン株式会社)に対して、景品表示法に基づく措置命令を行いました。 

今回は、消費者庁は、どういった理由で措置命令を行ったのか、今後、どういった点に注意していけばよいのか、解説したいと思います。 

措置命令の内容

今回の措置命令は、いわゆる「No.1」表示について、合理的な表示ではなかったことを理由とするものです。 

具体的には、「No.1」表示の根拠となる調査について、あたかも本製品ないし役務について、実際に利用したことがある者又は知見等を有する者を対象に調査した結果において第1位であるかのように表示していたところ、実際には、利用したことがある者か又は知見等を有する者かを確認することなく、事業者の印象を問うものであったというものです。 

このように、「No.1」表示が合理的な根拠に基づかない場合には、景品表示法上の優良誤認表示に該当することになります。 

「No.1」表示が合理的根拠に基づくものと認められる場合 

公正取引委員会の「No.1表示に関する実態調査報告書」では、「No.1」表示が合理的根拠に基づくものと認められるには、①No.1表示の内容が客観的な調査に基づいていること、②調査結果を正確かつ適正に引用していることの両方を満たす必要があるとされています。 

①の「客観的な調査」に関しては、

(i)当該調査が関連する学術界又は産業界において一般的に認められた方法又は関連分野の専門家多数が認める方法によって実施されていること、

(ⅱ)社会通念上及び経験則上妥当と認められる方法で実施されていることが必要

であるとされています。そのため、例えば調査対象者を自社に有利になるように恣意的に選定するとか、調査対象者数が極めて少ないとか、そもそも自社に不利な結果になりようのない質問項目を設定しているとか、そのような、結果の客観性に疑問が生じるような調査方法は、合理的根拠として認められないということになります。 

また、②の「調査結果を正確かつ適切に引用」に関しては、直近の調査結果に基づいて表示するとともに、No.1表示の対象となる商品等の範囲、地理的範囲、調査期間・時点、調査方法、調査の出典等についても、当該調査の実態に即して明瞭に表示する必要があるとされています。 

イメージ調査の注意点について

今回の措置命令の対象となった「No.1」表示の根拠となる調査は、実際に製品を利用した顧客に対する調査ではなく、いわゆるイメージ調査でした。一応、「No.1」表示の直下には、調査概要として、「ブランドイメージ調査」、「サイトのイメージ調査」と明記しておりましたが、本件では、措置命令の対象となりました。 

この点の詳細について、消費者庁の報道発表資料には言及がありませんが、「顧客満足度No.1」、「他人に紹介したい蓄電池販売No.1」、「北海道エリア 太陽光発電事業者見積価格満足度No.1」等の内容の表示について、これを見た消費者としては、実際に製品を利用した顧客に対する調査結果であるかのように受け止めますし、表示内容からして、実際に製品を利用した顧客に対する調査でなければ意味がないということかと思われます。 

今後は、広告に「イメージ調査」と表示していれば問題ないと安易に考えるのではなく、イメージ調査としてふさわしい調査項目か、「No.1」表示を見た消費者が実際に製品を利用した顧客に対する調査結果を表示したものと誤信しないか、注意する必要があるでしょう。 

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