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【令和6年4月】エステー株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について弁護士が解説

大企業であるエステー株式会社に対し、消費者庁が措置命令

消費者庁は、令和6年4月25日、エステー株式会社に対し、景品表示法に基づく措置命令を行いました。措置命令の対象となったのは、エステー株式会社が供給する、「MoriLabo ナイトケア花粉バリアポット」と称する商品、「MoriLabo 花粉バリアスティック」と称する商品、「MoriLabo 花粉バリアシール」と称する商品及び「MoriLabo 花粉バリアスプレー」と称する商品に係る表示で、当該表示が「優良誤認」に該当するということで、措置命令が行われました。

消費者庁は、大小様々な会社に対し措置命令を実施しており、今回の件は、多くの方が知る著名な会社、規模の大きい会社が指摘を受けたものとなります。

消費者庁の指摘事項等

消費者庁ホームページより:https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms204_240426_04.pdf

消費者庁の指摘事項の概要は次の通りです。

今回の商品につきましては、同社のHP等において、例えば、

  • 「香りで花粉をガード ※ 花粉を直接覆って、アレル物質の働きを引き下げる」
  • 「本品に配合されているトドマツ精油は、スギ花粉をコーティングすることにより、アレル物質の働きを低減するという研究成果が報告されています。」
  • 「香りで花粉をガードするしくみ」
  • 「花粉に直接アプローチ 次世代の花粉対策」
  • 「花粉を Wブロック」
  • 「スプレー時には、顔や髪のまわりに浮遊す るスギ花粉をコーティングすることにより、アレル物質の働きを低減します。スプレー後には、肌や髪の表面をバリア層が包み込み、空 気中のスギ花粉の付着を抑制します。」

等と表示していました。

また、使用方法として、商品ごとに、「寝室に置く」、「マスクの外側に塗る」等の記載・表示をしていました。

これにつき、消費者庁は、【あたかも、「使用方法」記載のとおりに当該商品を使用するだけで、トドマツ精油の香りの成分が、浮遊するスギ花粉を含む花粉をガードする効果及びスギ花粉をコーティングすることによりアレル物質の働きを低減する効果が得られるかのように示す表示をしていた】と指摘しました。

そのうえで、消費者庁は、当該会社に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、【当該会社から資料が提出されたが、それらはいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった】として、措置命令を課しました。

まとめ

今回は、著名な大手会社に対する措置命令であり、対象商品は、花粉症対策商品でした。HPやパッケージにおいて、「花粉を香りでガード」等と表示していましたが、消費者庁において、合理的根拠が認められないと判断されてしまったところとなります。

エステー株式会社が提出した資料の詳細は不明ですが、報道等によりますと、同社が提出した資料は、小さな密閉空間での試験結果(500ミリリットルほどの容量の密閉された空間でのデータ)等であったとされています。

消費者庁は、実際に使用されることが想定される状況での結果を要求しており、実際に使用する環境と異なる条件での試験結果では合理的根拠と認めてくれません。良い商品であったとしても、それを示す合理的根拠を示せないと消費者庁より措置命令や課徴金納付命令を受けるリスクがありますので、合理的根拠を示せるか、どこまで広告として表示すべきか等につき、十分ご注意頂ければと思います。

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