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アマゾン薬局と薬局事業のDX

アマゾン薬局と薬局事業のDX

今回は最近よく耳にする“アマゾン社が薬局事業に参入する”、いわゆるアマゾン薬局に関して、お話をしたいと思います。と言っても、アマゾン薬局自体に関する説明というよりも、何故アマゾン社が日本の調剤薬局事業に参入を宣言してきたのかという背景を中心に説明していきます。

昨今、調剤薬局事業にもDX(デジタル・トランスフォーメーション)を進めるよう規制緩和が進められています。2019年に認められたオンライン服薬指導を皮切りに、2021年にはオンライン資格確認、とうとう2023年1月には電子処方箋の運用が開始されることになっています。他方で同時並行的に保険医療機関でもオンライン診療、オンライン資格確認は認められており、また、電子処方箋の運用も薬局と同様に推進され、医療機関側も薬局事業と同様にDXが進められているのです。

薬局のDXとアマゾン薬局の関係

では、薬局のDXが進むことと、アマゾン薬局が進出することに、どのような関係があるのでしょうか。それにはまず、電子処方箋の役割について、簡単に説明をしておく必要があります。

電子処方箋の流れ

皆さんが調剤薬局で薬を受け取るまでの流れを思い出してみてください。医療機関で診察を受けた後、紙の処方箋を受け取り、それを調剤薬局に持参して、薬が渡されるという流れが一般的かと思います。(一部では医療機関で薬まで渡されますが今回はそのケースは除きます。)

電子処方箋の運用が開始された場合には、医療機関で発行される紙の処方箋が電子処方箋として置き換わることになります。ここで電子処方箋と混同しないようにしていただきたいのが、処方箋のFAXやアプリで写真を撮って薬局に送付する場合です。

これらは、あくまで紙の処方箋の写しに過ぎないため、原本である紙の処方箋は別途薬局に渡す必要があります。一方、電子処方箋は対象の薬局に送信さえすれば、電子処方箋自体が原本となりますので、FAXやアプリと異なり薬局に行って紙の処方箋を渡す必要がなくなるのです。

処方箋のやり取りがオンラインで可能になるとどう変わる?

処方箋のやりとりがオンラインで可能になると、後は、保険証の確認や薬剤師による服薬指導の実施が問題となりますが、これらは既に行われているオンライン資格確認やオンライン服薬指導により、薬局に直接行くことなく、オンライン上で実施することができます。更に言えば、オンライン診療で診察も実施されれば、医療機関に行くことなく、電子処方箋が発行され、任意の薬局に電子処方箋を送信し、服薬指導を受け、後は薬局が薬を患者さんのご自宅に配送すれば、患者さんは自宅にいながら診察から薬の受け取りまで全てが完了できるのです。

ここでポイントとなるのが、最後の薬の配送です。ピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、アマゾン社は物流に関してとても強い自社ルートがあるため、通常の薬局が宅配便等で行わなければならないところ、自社のルートを用いて配送を行うことができます。したがって、その物流の強みを活かして他の薬局にはできないようなサービスが提供可能ということで、参入を宣言したと考えられます。

アマゾン薬局の早期参入は可能?

それでは、アマゾン薬局が描くような全てオンラインで繋ぐような薬局事業は、市場参入し、直ぐにシェアを獲得することが可能なのでしょうか。色々な考え方があるかと思いますが、直ぐには難しいものと考えられます。というのも、調剤薬局のオンライン化は、調剤薬局のみならず、医療機関や患者さん自身も対応する必要があります。

具体的には、医療機関側のDXが進んでいないと電子処方箋の発行以前に、オンライン診療も難しく、患者さんは来院する必要があります。しかし、来院して処方箋を受け取れば、紙の処方箋で医療機関に近い薬局に行けば済んでしまいます。そうすると電子処方箋が導入されたからと言って、すぐにオンラインを中心とした薬局が現在の薬局に取って代わるとは考え難いのです。また、患者さんの全てが電子処方箋やオンラインに対応できるかという点や検査が必要な患者さんも相当数いることを考え併せると、全てオンラインで行うことは難しく、また定着するにも時間がかかることは想像に易いのです。

医療機関や薬局のDXに向けて

しかし、これは現在の話に過ぎません。数年後になるかもしれませんが、医療機関や薬局のDX化が当たり前となり、医療業界でもオンラインが基本となる時代は、いつかは到来しても不思議ではありません。

また、今もリフィル処方等も法律的には認められており、一般的になれば、調剤薬局がDXされるだけでも、全てオンラインで対応することも可能です。このように、オンラインで対応する薬局が当たり前となり、いつか今の薬局事業のイメージが変わることも想定して準備をしていくことが必要と考えられるでしょう。

まとめ

物販やサービスなどの「価格」をいくらに設定するかは事業主の自由です。ですが、その価格を何かしらのキャンペーンや販売促進と同時に消費者に提供する時は、二重価格表示に基づくルールを守らなければならないのはご存知でしょうか?

見落としがちな「価格」に関する法律について、今回は「二重価格表示」のルールを詳しく紹介したいと思います。

二重価格表示とは?

そもそも二重価格表示だと認識される場合は、その価格に比較対照価格がある場合です。

例えば、「通常価格10,000円、割引率50%OFF、販売価格5,000円」。この場合、通常価格と販売価格の2つの価格がありますね。

二重価格表示違反か否かは、その比較対照価格のルールが守れているかどうかによります。

比較対照価格の種類

  • (1)過去の販売価格
  • (2)他店の販売価格
  • (3)メーカー希望小売価格

これらの3種類について、1つ1つ紹介します。

(1)過去の販売価格

「通常価格」や「セール前価格」などと表示されているものは、次の場合に表示可能となります。

  • セール開始時点から過去8週間のうち、4週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます。
  • 販売開始から8週間未満のときは、販売期間の過半かつ2週間以上の販売実績があれば、過去の販売価格として表示することができます。

上記(1)や(2)を満たす場合であっても、実際に販売した最後の日から2週間以上経過している場合には、過去の販売価格として表示することは原則としてできません。販売期間が2週間未満のときは、過去の販売価格として表示することは原則としてできません。

(2)他店の販売価格

これは、「市価」や「他店販売価格」などとして表示される価格です。以下の場合に表示することができます。

  • 市価を比較対照価格に用いるときは、地域内の事業者の相当数が実際に販売している価格を用いる必要があります。
  • 特定の競争事業者の販売価格と比較する場合は、その事業者の実際の販売価格及び事業者の名称を明示する必要があります。

(3)メーカー希望小売価格

「メーカー小売価格」などと表示されているものは、次の場合表示可能です。

  • メーカーや輸入元など製造事業者等が設定する希望小売価格が販売時点で有効に設定され公表されているものであれば、比較対照価格として用いることができます。

ただし、この価格のとおりに販売するかどうかは各小売店の自由です。メーカーが希望小売価格で販売することを小売店に守らせることは、書籍など一部の商品を除いて独占禁止法で禁止されています。

オープン価格とは?

オープン価格という表示を見かけた方も多いと思います。

オープン価格とは、メーカーが希望小売価格を示すことをやめ、販売価格の決定を完全に小売店に委ねたことを意味しています。厳密にはオープン価格には、発売当初はメーカー希望小売価格があったが途中でそれを取りやめる場合と、発売当初から希望小売価格を設定しないケースがありますので注意が必要です。

二重価格表示の注意点

売りたいからといって、安易に価格をつけてごまかしたり、存在しない価格をあるように見せかけて消費者に誤認を与えないようにしましょう。という簡単なルールですが、意外に知らない方も多いようです。

二重価格表示違反は罰則が比較的重い法律でもありますから、今一度自社の価格やキャンペーンを見直してもいいのではないでしょうか。

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