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サブスクリプション契約と特商法

サブスクとは

インターネット上で「サブスク」という言葉を聞くようになって久しくなりました。今では、Amazonプライム、Spotify、Hulu、トヨタのKINTOなど大手のサービスだけでなく、様々な種類のサブスクがあります。

実はサブスクも通信販売という区分に入り、「特商法」という法律の規制を受けることになりますので注意が必要です。

「サブスク」とは

「サブスク」とは、英語のsubscriptionに由来する言葉です。辞書を引くと「予約購読」という日本語訳が出てきます。伝統的には、雑誌の年間購読がこれに該当します。

これに対して、最近の「サブスク」といえば、インターネット上のサービスに対して一定期間の利用料金として定額を支払う契約が主流になりつつあります。月額一定料金を支払うことにより、音楽をストリーミングで聞くことのできるSpotifyの登場により、サブスクのイメージが広がったのではないでしょうか。

サブスクリプション・サービスのビジネスモデルは盛んに議論されています。しかし、現時点(2024年12月19日)では、法律において近年のサブスクリプション契約を定義したものは見当たりません。ここで注意が必要なのは、「サブスクリプション契約」や「サブスク契約」と呼んでいるものの内容が、これまでの定期購入契約(販売業者が購入者に対して商品を定期的に引き渡し、購入者がこれに対する代金を支払う契約)に他ならないケースがあることです。

サブスクで注意すべき点

インターネットで定期購入契約型のサブスクを行う場合、特商法の通信販売の規制に注意が必要です。特に、事業者は「消費者が商品の売買契約を二回以上継続して締結する必要がある場合、その旨および金額、契約期間その他の販売条件」を広告表示する義務があります(特商法第11条第5号、同施行規則第8条第7号)。

さらに、購入者から解約の申入れがない限り契約が継続される、期間の定めのない定期購入契約になる場合、「金額」は「まとまった単位での購入価格を目安として表示する等して、当該契約の基づく商品の引渡しや代金の支払いが一回限りでないことを消費者が容易に認識できることが望ましい」とされています(消費者庁取引対策課他編『特定商取引に関する法律の解説(平成28年版)』126-127頁(商事法務)2018年)。

例えば、月額980円(初年度年額10,780円、次年度以降年額11,760円)という表示が考えられます。また、「契約期間」については、消費者から解約通知がない限り契約が継続する無期限の契約である旨を示す必要があります(同127頁)。

サブスクのウェブサイトでは、月額料金の記載はあっても、半年分や一年分といったまとまった単位の金額表示はあまり見かけません。これは「いつでも解約可」という契約が多く、その趣旨が「二回以上継続して締結する必要がない」ということを意味する場合、上記の広告表示義務の適用がないためです。

インターネット上での定期購入契約については、特商法上その他にも留意が必要な点があります。個別のサブスク契約の法的問題点については、別途ご相談ください。

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