2025年3月13日、消費者庁は通信販売業者 株式会社フォックス(本店:京都府京都市) に対し、 特定商取引法違反を理由に6か月間の業務停止命令を発出しました。これにより、 2025年3月14日から9月13日まで、フォックスは広告の掲載、申込受付、契約締結を含む通信販売業務の一部を停止しなければなりません。
本件は通販業界全体にとって重大な警鐘であり、企業は特定商取引法の厳格な適用に対応する必要があります。本記事では、この処分の背景とポイントを分析し、 広告コンプライアンスの重要性と企業がとるべき対策 について詳しく解説します。
処分の概要
フォックスは、ダイエット食品「Re-CABO(リカボ)」の販売において、 特定商取引法に違反する広告表現や契約手続きを行ったとして、業務停止命令を受けました。また、 代表取締役 成松伸朗 氏も6か月間の業務禁止命令を受け、期間中は新たな通信販売事業の開始や、通販業務を営む企業の役員就任が禁止されています。
主な違反内容
誇大広告(特定商取引法第12条)

- 「1週間で10kg減」「脂肪吸引級の効果」などの科学的根拠のないダイエット効果を謳った広告を掲載。
- 「どれだけ食べても太らない」など、消費者の誤認を招く表現。
契約手続きの表示義務違反(特定商取引法第12条の6第1項)

- 購入画面で 初回商品の引渡時期を記載していなかった。
契約解除条件の誤認表示(特定商取引法第12条の6第2項)
定期購入の解約時に発生する違約金について 実際の金額と異なる表示を行っていました。
フォックスの解約料に関する誤認表示は以下のような内容でした。
- 実際に請求される違約金: 9,980円
(送料込通常価格10,480円 – 初回価格500円 = 9,980円) - 表示されていた違約金: 9,480円
(通常価格9,980円 – 初回価格500円 = 9,480円)
フォックスの販売ページでは、消費者に対して 本来の違約金額よりも500円少ない金額が表示されていました。このような誤認表示により、消費者が解約に関する正確な情報を得られず、実際の請求額と異なる金額が請求される可能性があったため、特定商取引法違反と判断されました。
これらの行為が、 消費者の誤認を招き、取引の公正性を損なうものであるとして、消費者庁は厳しい処分を下しました。
事例が示す法規制の厳格化
この事例は、 消費者庁が通販業界に対して厳格な姿勢を取っていることを示しています。特に、以下のポイントに注意が必要です。
(1) 科学的根拠のない広告表現が厳しく取り締まられる
フォックスは、 ダイエット効果を誇張した広告によって処分を受けました。
特定商取引法では、商品やサービスの効果について 「合理的な根拠があること」を求めています。
消費者庁は企業に対し、 広告表現の裏付けとなるデータの提出を求めることがあり、不適切な広告は行政処分や課徴金の対象となります。
(2) 最終購入画面の「重要情報」の記載が義務化
2022年の法改正により、通信販売業者には「契約条件を明確に記載する義務」が強化されました。
フォックスのケースでは、 最終購入画面での定期購入の条件や解約手数料の説明不足が指摘されています。
(3) 事業者だけでなく代表者個人も責任を問われる
今回の処分では、フォックスの代表取締役に対しても業務禁止命令が発出 されました。
これは、 法人だけでなく経営者個人にも法的責任が及ぶ可能性があることを示しており、 経営陣は特定商取引法の遵守に積極的に関与する必要があります。
企業がとるべき具体的な対策
フォックスの事例を踏まえ、 企業は以下のポイントを重視してコンプライアンスを強化すべきです。
(1) 広告表現の適正化
- 効果を断定する表現を避ける
- 「絶対に痩せる」「100%成功」などの誇張表現はNG。
- 科学的根拠を明示
- 商品の効果を示すデータを用意し、必要に応じて消費者庁に提出できる状態にする。
- 誤認を招く表現を排除
- 実際の成分や効果を正確に伝え、消費者が誤解しないよう注意する。
(2) 最終購入画面の表示を適正化
- 最終購入画面で契約内容を明確に記載
- 定期購入の条件、解約手数料、返品規定などを消費者がすぐに確認できるようにする。
- 契約前の確認・訂正機能の導入
- 申し込みボタンの近くに「戻る」「変更」「取消し」といったボタンを用意、もしくはブラウザの「戻る」ボタンで戻れることを通知。
(3) コンプライアンスチェックの強化
- 法務・広告部門と連携
- 商品の宣伝文言は、法律の専門家や広告担当者と協議した上で決定する。
- 弁護士による事前チェック
- 特定商取引法に詳しい弁護士によるリーガルチェックを定期的に受ける。
企業のリスク管理には専門家のサポートが不可欠
特定商取引法の違反は、 業務停止命令という重い処分につながり、企業の売上や信用を大きく損なうリスク があります。
企業が広告コンプライアンスを徹底するためには、 法的専門家によるチェックが不可欠です。
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