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健康食品の表示・広告の見方と違反事例

1 「保健機能食品制度」について

「健康食品」と呼ばれるものについて、法律上の定義はなく、広く健康の維持、増進に役立つ食品として販売、利用されているもの全般を指します。もっとも、消費者が自らの判断で安心して健康食品を選択できるようにするためには、その成分や効能が正しく表示され、適切な情報が提供されることが不可欠です。

そこで、国の制度として「保健機能食品制度」が設けられ、いわゆる健康食品のうち、有効性や安全性について国が定める一定の基準を満たす食品については、特定の保健機能を持つ「保健機能食品」として表示することが認められています。また、国の定めた栄養成分については、一定の基準を満たす場合に、その栄養成分の機能を表示することができます。

2 保健機能食品の種類と表示

食品の機能性の表示が認められている保健機能食品には、機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品、の3種類があります。なお、一般食品及び保健機能食品に当たらない健康食品では、機能性の表示は認められません。

(1) 機能性表示食品

販売前に、国への届出が必要です。また、表示の対象になる成分は、体の中で成分がどのように働いているか、という仕組みが明らかになっている成分ですが、栄養成分は除かれます。機能性の表示としては、健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表示することができます。ただし、疾病リスクの低減に資する旨の表示はできません。

(例)Aが含まれ、Bの機能があることが報告されています。

(2) 栄養機能食品について

販売にあたっては、自己認証で足り、国への届出は不要です。また、表示の対象になる成分は、ビタミン13種類、ミネラル6種類、脂肪酸1種類です。機能性の表示としては、栄養成分の機能を表示することができ、国が定める定型文が用いられます。

(例)カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。

(3) 特定保健用食品

販売にあたっては、国による個別許可が必要です。また、表示の対象になる成分は、体の中で成分がどのように働いているか、という仕組みが明らかになっている成分です。機能性の表示としては、健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表示することができ、疾病リスクの低減に資する旨の表示も可能です。また、いわゆる「トクホ」マークを表示できるのも、機能性表示食品、栄養機能商品との大きな違いです。

(例)糖の吸収を穏やかにします。

3 保健機能食品の表示の見方

保健機能食品を購入する際には、キャッチコピーのみならず、パッケージの表示をしっかり確認してその機能を正しく理解することが必要です。機能性が表示されている食品のパッケージ上の主な記載内容は、以下とおりです。

  • ①機能性表示食品、栄養機能食品又は特定保健用食品である旨
  • ②機能性の内容
  • ③1日当たりの接種目安良
  • ④摂取する上での注意事項

4 健康食品の広告制限

健康食品の広告を規制する主な法規としては、薬機法、健康増進法、景品表示法があり、保健機能食品であっても、その他の健康食品と同様の規制を受けます。

(1) 薬機法による規制

健康食品は医薬品ではありませんので、医薬品と混同されないような表示をしなければなりません。商品本体やパッケージはもちろん、チラシ、DM、CMといった媒体を問わず、全ての広告において医薬品であるかのような誤解を与える表示はできません。例えば、「便秘が治る」、「アトピー性皮膚炎が治る」というように、特定の疾患や症状名を出して効能効果をうたうことはできません。

(2) 健康増進法による規制

健康増進法の目的は、国民の健康を増進することにあるため、国民が不適切な広告により健康被害を被ることがないよう、虚偽・誇大広告を禁止しています。例えば、「医者に行かなくてもがんが治る」という表現は、医師による診断、治療がなくてもがんが治るような誤解を与え、適切な治療を受ける機会を逸し、かえって病気を悪化させるおそれさえあり、許されません。

(3) 景品表示法による規制

景品表示法上の優良誤認表示、有利誤認表示その他誤認されるおそれのある表示に該当する広告も禁止されます。例えば、「史上最高のダイエット食品」という表示は、ダイエット効果には個人差があり、全ての製品の中で最高に効果があることを立証するのは一般的には極めて困難であることから、このような表示は誤認を与えるものとして許されません。

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