景品表示法の課徴金制度について
2016年4月1日以降、景品表示法に違反した表示を行った場合、売上の3%に相当する課徴金が課される可能性があります。売上の3%もの課徴金を支払わなければならない場合、経営が大きく悪化する恐れがあります。
この記事は、事業者の皆様が多額の課徴金を課されることがないよう、新たに設けられた景品表示法の課徴金制度について説明することを目的としています。
なお、この記事は、立法作業に携わった経験のある元法務官僚であり、外資系企業において実際に広告審査に従事した経験のある弁護士によって作成されています。そのため、内容の正確性や適切性については他のサイトに引けを取らないクオリティを誇っています。
何をしてはいけないのか? その1~優良誤認~
してはいけない表示とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
- 「アミノ酸一般食酢の120倍の黒酢でダイエットサポート!」
- 「『黒酢』に含まれたアミノ酸のメラメラパワー!」
- 「不足していたのはメラメラ力だったんですね・・・」
- 「人より効果が出にくい私。最初からアミノ酸を使ってたら・・・」
- 「タンスの奥のジーンズが出せた!」
- 「運動量は変わらないのに遂に出産前のスタイルに!」
これらの表示が問題視され、2016年3月30日に九州の食品会社に対して措置命令が行われました。消費者庁は、これらの表示があたかも対象商品を摂取するだけで特段の食事制限をせずに著しい痩身効果が得られるかのように示しており、景品表示法が禁止する「優良誤認」に該当すると判断しました。
課徴金制度の適用について
問題とされる表示が行われたのは、課徴金制度が施行される前のため、このケースでは課徴金の支払いは問題となりません。しかし、今後同様のケースが発生した場合、課徴金の支払いが必要になる可能性があります。
優良誤認表示とは、商品の品質が実際よりも非常に良いものであると消費者に誤認させる表示を指します。このような表示をホームページ、商品のパッケージ、広告などに行うと、将来的に課徴金を課せられるリスクが高まります。
しかし、これらの表示を見ても「商品を摂取するだけで痩身効果が得られる」とは明記されていない場合もあります。例えば、「タンスの奥のジーンズが出せた!」は、ジーンズを取り出せたことを示しているだけで、実際に履けるかどうかは明確ではありません。また、「運動量は変わらないのに遂に出産前のスタイルに!」も、出産前の体重がどうであったかは不明です。しかし、これらの表示を総合的に見ると、暗にやせる効果を示唆している印象を消費者に与えてしまう可能性があります。
法的に問題ない表現では、消費者へのアピールが難しいのも事実です。当法律事務所では、ビジネスの観点から広告の表現方法を提案するコンサルタントとも提携しており、企業やビジネスの現場を経験している弁護士も所属しています。他の法律事務所とは異なる視点からのご助言が可能ですので、ぜひご相談ください。