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措置命令取り消しのなぜ

1 はじめに

消費者庁は、2020年5月15日、2019年3月29日に行った措置命令を取り消したことを発表しました。消費者庁が一度出した措置命令を取り消すのは初めてのことだと思われます。消費者庁の発表では、措置命令を取り消した理由として、「措置命令の処分原因事実として認定した表示期間を改めて検討した結果」としか触れられていません。

なぜ措置命令の取消しという事態になったのでしょうか。

2 再度の措置命令もあり得る?

消費者庁の発表からも分かるように、今回の取消しの理由が、「そもそも優良誤認表示ではなかった」というものではないのは明らかです。報じられているところによると、優良誤認表示として認定した広告の表示期間に誤りがあったため、取り消さざるを得なかったということのようです。

そのため、改めて広告の正確な表示期間を確定し、表示期間を変更した上で、再度の措置命令を出す可能性も十分にあると考えられます。

というのも、措置命令のような行政処分は、基本的にどこまでも過去に遡って処分を出すことができます。極端な話をすれば、今回の表示が実は10年前のものでした、という場合であっても、それが優良誤認表示である以上、措置命令を出すことは可能なのです。

3 課徴金額には影響する可能性

一方で、優良誤認表示に対する課徴金納付命令は、期間の制限があります。景品表示法において、課徴金の対象とされる期間は最大で3年間とされており、また、不当表示をやめてから5年が経過すると、課徴金納付命令を課すことができないとされています。

そのため、理屈としては、今回表示期間が見直されることによって、課徴金額に影響してくる可能性もあります。

4 最後に

措置命令が取り消されると、その措置命令は最初からなかったことになります。とはいえ、一度出された措置命令の事実上の影響はどうしても残ります。今回は表示期間の誤りということでしたが、実は不当表示ではなかったというような場合には、措置命令が取り消されたとしても、被った事実上の不利益をどうするのかという問題が残ることになります。

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この記事の監修者
小池 章太

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所
美容健康部門リーダー

弁護士・薬剤師|東京弁護士会所属

小池 章太 (こいけ しょうた)

■監修者プロフィール

弁護士と薬剤師のダブルライセンスを有し、薬機法・景表法・健康増進法・特定商取引法・ステマ規制などヘルスケア領域に関わる法規制に精通。大手調剤薬局企業で企業内弁護士としてM&A、DX推進、新規事業の薬機法対応等に従事してきた経験を基に、法律と医療の双方の専門知識を活かした実務的なアドバイスを提供。その知見を活かし、健康食品・化粧品・美容機器・EC分野における広告表現のリーガルチェック、薬機法対応、関連申請支援、コンプライアンス体制構築まで幅広く担当し、多数のセミナー・講演実績を通じて最新の規制動向も踏まえた支援を行っている。2026年1月より、美容健康部門リーダーに就任。

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