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生成AIと著作権について弁護士が解説

昨今、生成型AIが世を賑わせています。

世間的には、技術が進みとても便利になったという声が良く聞かれますが、他方でその問題点についても指摘されることも少なくありません。

実際に、海外では生成型AIの営利目的での利用を禁止する動きも見られます。一方日本国内では、学校の宿題や大学のレポート等教育の場面での使用を禁止するケースはありますが、国として大大的に禁止をするといったような動きはありません。今後は規制されるということがあり得るのでしょうか。

AIが生成したものに著作権はあるのか

海外で生成型AIの利用を禁止する理由としては、「著作権」を理由に禁止するケースが多いように見受けられます。

すなわち、生成型AIの仕組みとして、ネット上の情報を学習させた上で、使用者の要望に応えるという仕様が多いですが、ネット上の情報の中には「著作物」と言われる著作権法で保護される創作物が存在しています。

具体的には、文章、絵画、プログラム、写真、動画等ジャンルは問わず、人が作成した制作物に創作性(個性とも言われます。)が認められれば、著作物として認められ、著作権法上の保護を登記や登録等といった手続は一切不要で権利の保護がされます。著作物として認められると、著作権法上保護される権利(利用者からしてみると禁止される権利)として、著作物の複製、翻案という対象となる著作物に新たに創作性を加える行為、公衆送信というネット等の公の媒体に公開する行為等が挙げられます。

そして、生成型AIは、ネット上の情報を基に生成する訳ですから、仮にその生成物が著作物と認められる場合で、その依拠した対象が著作物である場合、複製や翻案権の侵害、また、それを公に開示すれば、公衆送信権違反が生じる可能性があります。

よって、海外では著作権保護の観点から生成型AIの営利目的使用を禁止するケースが散見されるのです。(因みに、生成されたものが、著作物でない場合は、著作権違反にはなりません。)

私的利用は可能

他方で生成型AIの個人利用は禁止されていないことが多いです。これは、私的利用、つまり、自分で楽しむ範囲であれば、著作権の侵害とはならないと定められていることが理由になります。

誰が責任を取るのかが課題

上記のとおりではありますが、実際に生成型AIで生成された生成物に関し、紛争にまで発展した場合、どの著作物に依拠したのか明確にすることができるのか、明確になったとして、誰が責任をとるのか(生成型AIを運営する会社なのか、命令をした利用者なのか)等、問題は少なくないように思います。

よって、今後このような生成型AIの課題に関する議論は、きちんと目を向けていく必要があると思われます。

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