自由競争が激しい日本では、ライバル店や価格競争などで不運にも事業や店舗を運営できなくなる場合があります。閉店に陥ってしまったり、事業譲渡などをする決断をした事業主は様々な処理をせねばなりません。このような時に個人情報はどう取扱うべきかをご紹介したいと思います。
閉店する場合と事業譲渡では処理方法が異なる
閉店の場合はシンプル
これまで保有していた個人情報は適切に破棄する必要があります。適切に破棄とはどういうことかと言うと、シュレッダーで抹消するなどです。また、個人情報を破棄してくれる専門会社もありますのでそういった所に依頼するのも確実な方法です。
事業譲渡する場合は少し複雑
事業を譲渡先の新しい運営会社から、個人情報を引き継ぎたいとの申し入れがあった場合そのまま受け渡してはいけません。すべきこととしては譲渡前にすべての顧客または会員から個人情報を新しい会社へ譲渡してもよいかの許可を得る必要があります。許可を得る方法は様々ですので専門家へ相談するのがよいでしょう。
また、新しい運営会社が個人情報を引き継がない旨の申し入れがあった場合は、先に述べた閉店の際の処理と同様になります。
個人情報にまつわるトラブル
個人情報まつわるトラブルで多いのは、債務が残っている状態の顧客への返金対応と従業員が個人情報を抜き出してしまうことです。
債務が残った状態で閉店する場合は顧客に知らせた上で返金対応をせねばなりません。但し、多くの場合は閉店になる場合、事業が上手くいかない場合だと思いますので、そういった場合は返金自体もできなくなる可能性もあると思います。事業主がかかえている債務処理は、顧客への返金だけではないと思いますので、その際は専門家へ相談して優先順位や返金対応の時期など相談するのがよいでしょう。
従業員が辞める際、または閉店後に個人情報を抜き出していたことが分かった場合は厄介です。個人情報というのは個人情報保護法からの観点では「目的外使用」はできません。企業と顧客との間で成立する個人情報が、別のところで使用されてしまった場合は元の会社が責任を問われることになります。
そのような流出を防ぐためにも個人情報データベースにパスワードをかける・アクセスできる社員を限定しておく・個人情報に触れる際の履歴を残しておくなど透明かつ確実な管理をしておくべきとも言えます。その会社の体制によって管理方法などは模索できると思いますので、多くの企業を見ている専門家に相談するのもいいでしょう。