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No.1表示、高評価%表示に注意!消費者庁からNo.1表示に関する実態調査報告書が公表されました

No.1表示に関する実態調査報告書の公表

令和6年3月に、消費者庁から、No.1表示に関する実態調査を行うことが公表されました。それを受けて、同年9月26日、消費者庁からNo.1表示に関する実態調査報告書が公表されました。ここでは、No.1表示に関する実態調査報告書の内容について、コメントしたいと思います。

No.1表示に関する実態調査報告書には、①No.1表示のみならず、高評価%表示も対象となっていること、②No.1表示や高評価%表示が景表法上、適法となる要件を挙げていること、③広告をする事業者に対して広告の管理をするよう促していることなどが書かれています。

No.1表示のみならず、高評価%表示も対象となっていること

(1)No.1表示で指摘された問題点

No.1表示に関する実態報告書では、高評価%表示も対象となっているのですが、まずは、No.1表示に関する問題点を確認しましょう。

令和6年2月から同年3月にかけて立て続けにNo.1表示をした事業者に対する措置命令が出ました。その一連の措置命令で消費者庁が問題としたのは、イメージ調査を根拠として「顧客満足度No.1」などと表示していた点です。イメージ調査は、回答者に対して、対象の商品やサービスと競合となる商品やサービス等のウェブサイトを閲覧させて、閲覧した際の印象(イメージ)に基づいて回答をさせる調査方法です。「満足度」という表示からすると、本来であれば、実際に対象の商品やサービスを利用した人が回答すべきところですが、回答者を対象の商品やサービスを利用したか否かを問わない者とし、その回答内容を基にNo.1と表示していたことに大きな問題(表示内容と調査結果のズレ)がありました。

(2)No.1表示と高評価%の類似点

No.1表示に関する実態調査報告書の中には、「調査の過程で、例えば、「医師の〇%が推奨しています。」等と記載された表示(以下「高評価%表示」という。)も数多く見られた。このような表示は、「商品等についての第三者の主観的評価」を訴求している点で、主観的評価によるNo.1表示と同じであるから、本調査の射程に含める」こととしたという記載があります。

No.1表示と高評価%表示は、第三者の主観的評価を根拠として表示されることから、その実質が同じであると評価されています。

(3)高評価%表示も要注意

No.1表示に関して措置命令が出ているだけであって、高評価%表示は問題ないと考えているとすると、非常に危険です。消費者庁は、「商品等についての第三者の主観的評価」という観点から、No.1表示と同様に高評価%表示も景表法に違反する可能性があると考えています。

No.1表示や高評価%表示が景表法上、適法となる要件

では、No.1表示や高評価%表示は、どのような要件を満たせば、景表法上、問題がないものとなるのでしょうか。No.1表示に関する実態調査報告書は、ⅰ.比較対象となる商品・サービスが適切に選定されている、ⅱ.調査対象者が適切に選定されている、ⅲ.調査が公平な方法で実施されている、ⅳ.表示内容と調査結果が適切に対応しているという4つの要件を挙げています。そして、No.1表示はⅰ~ⅳの要件を満たす必要があり、高評価%表示はⅱ~ⅳの要件を満たす必要があります。No.1表示は比較広告であるのに対し、高評価%表示は比較広告ではないので、高評価%表示にⅰの要件が不要なのは、明らかでしょう。

そのうえで、ⅰ~ⅳでどのようなことを意識すべきか、また、どのようなことが問題となるかをお示しします。

ⅰ 比較対象となる商品・サービスが適切に選定されている

No.1と表示する以上、主要な競合商品・サービスを比較対象とする必要があります。端的に言えば、自分たちが勝てそうな競合他社の商品やサービスだけ並べて、No.1を表示してはいけないということです。市場シェアの高い商品やサービスを相手にして、No.1でなければならないということです。

主要な競合商品・サービスが比較対象となっていない場合、この要件を満たさないことになります。

ⅱ 調査対象者が適切に選定されている

表示が実際に商品・サービスを利用したことがある者を対象に調査を行っているかのようになっているにもかかわらず、利用の有無を問わないイメージ調査を行っている場合、表示内容と調査結果との間にズレがありますので、景表法上、問題となる可能性があります。「顧客満足度No.1」などといった表示が代表例です。なお、イメージ調査を行ったことを注記していたとしても、表示内容と調査結果が適切に対応していないので、この注記によって、適法となることはありません。

また、「医師の〇%が推奨」等と、医師が専門的な知見に基づく判断として「推奨」しているかのような表示であるにもかかわらず、実際には医師の専門分野(診療科等)が、商品・サービスを評価するに当たって必要な専門的な知見と対応していない場合も、表示内容と調査結果との間にズレがありますので、景表法上、問題となる可能性があります。例えば、肌に塗る乳液に関して、眼科医が推奨しているなどといった例を挙げることができると思います。

ⅲ 調査が公平な方法で実施されている

アンケート実施の際に、自社商品やサービスを最上位や見やすい位置に設定して、良い結果となるように誘導する場合、アンケート実施の際に、決められた数ではなく、自社商品がNo.1となった時点でアンケートを終了する場合などが問題となります。

ⅳ 表示内容と調査結果が適切に対応している

令和6年2月から同年3月にかけて立て続けに出たNo.1表示に関する措置命令は、当然、広告をした事業者に対して出されています。広告をした事業者が責任を負うことは当然なのですが、No.1表示に関する実態調査報告書では、広告をする事業者が調査に関与してない、調査会社を信用しきって任せているといった実態も報告されています。

しかしながら、本来は、広告をする事業者も、きちんと調査内容や調査結果等を管理しなければなりません。この点、No.1表示に関する実態調査報告書では、事業者が講ずべき管理上の措置(景表法22条1項)を徹底するように、事業者に促しています。

ⅰ 景品表示法の考え方の周知・啓発
ⅱ 法令順守の方針等の明確化
ⅲ 表示等の根拠となる情報の確認
ⅳ 表示等の根拠となる情報の共有
ⅴ 表示等を管理するための担当者等を定めること
ⅵ 表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置をとること
ⅶ 不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応

特に、上記ⅲの表示等の根拠となる情報の確認は重要なものとなります。No.1表示をするに当たって、調査会社が行った調査が適切なものなのか、表示と適切に対応する調査なのかということを適切に確認する必要があります。

まとめ

令和6年9月26日に消費者庁が公表したNo.1表示に関する実態調査報告書についてコメントいたしましたが、広告をする事業者においては、①No.1表示のみならず高評価%表示にも十分に注意し、②景表法上、問題とならないように4つの要件を満たすようにし、③広告を適切に管理したうえで、広告をするようにしていただきたいと思います。景表法や広告に関して、疑問点や不明点等ありましたら、当事務所にご相談いただければと思います。

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