消費者庁が、令和6年3月26日、株式会社バウムクーヘンに対して、景品表示法上の優良誤認表示に該当するとして、課徴金納付命令を行いました。(参考:株式会社バウムクーヘンに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について (caa.go.jp))なお、同社に対しては、令和5年6月14日時点で、同様の件について措置命令が出されていました。
どのような広告表現が指摘を受けたのか
消費者庁HPより:https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms210_240326_02.pdf
株式会社バウムクーヘンは、「アイズワン」と称するペット用サプリメントを販売していたところ、その広告表示において、犬に同サプリメントを摂取させることにより、犬の白濁した瞳が改善する効果が得られるかのような表示をしていました。
具体的には、イラストにて、犬が物にぶつかる描写をしたうえで、その犬の目が白濁している様子を描き、飼い主の心の声として、「年齢とともに不自由になっていく」「若々しかった目の輝きもなくなったような…」と記載していました。そして、ドッグサロンで「アイズワン」を紹介され、3か月与えた結果、目の白濁が解消したかのような表現をし、かかりつけの獣医からも褒められるというストーリーを作っていました。
このような一連の広告上のストーリーから、同サプリメントの効能効果として、犬の目の白濁を改善する効果があることが読み取れます。
ナンバーワン表示も
また、同社は、上記広告表示内に、「皆様に選ばれて7冠達成!」との表示をし、「No.1 日本トレンドリサーチ 愛犬家におすすめのアイケアサプリ」などとして、客観的な調査方法で調査した結果、同社の同サプリメントが7つの項目で1位を獲得したと表示していました。
しかしこの調査は、同社が委託した調査事業者において、事業者のウェブサイトの印象を問うたものにすぎなかったうえ、犬を飼育しているか否か等の回答者の条件を付さずに広く調査をしたものであって、調査項目に沿って客観的に調査したものとは言えない方法をとっていました。そのため、消費者庁は、このようないわゆるナンバーワン表示についても、優良誤認表示に該当するものと判断しました。
措置命令から9カ月後の課徴金納付命令
もともと消費者庁は、本件について令和5年6月14日の時点で、景品表示法上の優良誤認表示に該当するとして、同社に対して措置命令を出していました。今回の課徴金納付命令のニュースリリースを見る限り、同社は措置命令が出された時点で、これらの不当表示を取りやめていますが、措置命令が出されてから約9か月後に、課徴金納付命令も出された形です。
措置命令だけでも、事業者及び商品の社会的な信用は著しく失われてしまいますが、その後課徴金納付命令も出され、経済的な打撃も加わることを踏まえますと、やはり不当表示を行わないことは非常に重要かと思います。今一度広告表示について見直すことをおすすめいたします。
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