雇用保険は国の保険制度であり、強制保険です。その役割は労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うことなどに使用されます。日本では、昭和22年(1947)に失業保険法として制定され、昭和49年(1974)に雇用保険法に改正されました。事業主は労働保険料の納付、雇用保険法の既定による各種の届出等の義務を負うことになっています。雇用保険の適用ルールを分かりやすくポイントに分けて紹介します。
雇用保険とは
ポイント①
業種、規模等を問わず、すべて適用事業となり強制加入が必要です。雇用保険の適用事業に雇用される労働者は、原則としてその意志にかかわらず当然に被保険者となります。ただし、65歳に達した日以後に雇用される方、4ヶ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される方などは、雇用保険の適用除外となるなど、雇用形態等により被保険者とならない場合もありますので確認が必要です。
ポイント②
1人でも正社員として雇用していれば、雇用保険加入手続きが必要となります。個人の場合は、国民年金保険がその役割をしています。
ポイント③
パートタイムやアルバイトも一定の条件を満たせば加入対象になります。加入対象は、31日以上の雇用見込みがあることまたは1週間の所定労働時間が20時間以上であることです。
ポイント④
雇用保険法に基づき、適用基準を満たす労働者については事業主や労働者の意思に関係なく、被保険者となった旨を公共職業安定所(ハローワーク)に届け出なくてはなりません。
雇用保険の加入手続き方法
事業を開始したときに、「労働保険保険関係成立届」「雇用保険適用事業所設置届」「労働保険概算保険料申告書」を事業所の管轄する労働基準監督署、公共職業安定所へ提出することが必要です。尚、従業員を初めて雇い入れることとなった場合は、保険関係成立に関する手続を済ませた後、事業所を管轄するハローワークに「事業所設置届」、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければならないことになっています。
その後新たに従業員を雇い入れた場合は、その都度事業所を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。この届出によってハローワークから交付された「雇用保険被保険者証」については事業主から本人に渡す必要があります。用意する書類等については、専門家へ相談するのがいいでしょう。