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腫瘍に効く水を販売したとして薬機法違反で逮捕された件について弁護士が解説

腫瘍やアレルギー、高血圧を予防できる水を販売して刑事事件に

腫瘍やアレルギー、高血圧の予防効果が期待できると称した水を販売したとして、警視庁生活環境課が、令和5年11月30日までに、薬機法違反の疑いで、東京都港区の医療機器販売会社の代表取締役ら4人を逮捕したと発表しました。また、同じ容疑で、会社についても、書類送検したとのことです。

薬機法における未承認医薬品の広告について

薬機法68条は、承認前の医薬品や医療機器等の効能効果の広告を禁じています。つまり、承認されていないにもかかわらず、医薬品や医療機器等に認められる効能効果(これを「医薬品的効能効果」などといいます。)を広告することは、薬機法68条に違反することとなります。そして、薬機法68条に違反すると、薬機法85条5号によって、二年以下の懲役または二百万円以下の罰金が科される可能性があります。

疾病の治療又は予防を目的とする効能効果は医薬品的効能効果ですので、本件も未承認医薬品の広告をしたと疑われて逮捕されたものと考えられます。腫瘍(ガン)というと疾病(病気)の代表格ですから、医薬品的効能効果の広告というのも分かるかと思います。

なぜ、未承認医薬品とされるのか?

ここで、水は医薬品ではないのではないか?ということから、何故、未承認医薬品の広告となるのか疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。ここにも、薬機法の解釈が関わってきます。薬機法2条に医薬品の定義が定められており、また、旧厚生省が出した「無承認無許可医薬品の指導取締まりについて」(「四六通知」と呼ばれています。)という通知が、薬機法2条の解釈について方向性を示しています。

薬機法2条と四六通知によると、医薬品的効能効果を広告している物(医薬品的効能効果を目的としている物)は薬機法上、医薬品に該当するものと解釈することができます。

したがって、水(人によって何らかの加工がなされている水のようです。)であったとしても、広告内容如何によって、薬機法上、医薬品と評価されることになります。そして、当然、当該水は、医薬品として承認されているわけではありませんので、医薬品的効能効果を広告することによって、未承認医薬品の広告、薬機法68条違反となるわけです。

広告内容次第で薬機法違反、刑事罰につながってしまうということに注意が必要です。

本件についての雑感

本件に関する報道によると、販売されていた水は、通常の飲料水の成分と変わりがないとのことです。とすると、効能効果がないにもかかわらず、販売している水に効能効果があるように装った上、購入者を騙してお金をもらっているので、詐欺ではないかと考える方もいらっしゃると思います。

ここで、薬機法68条違反と詐欺の違いについて少し触れておきたいと思います。薬機法68条違反は、先ほども紹介したとおり、医薬品的効能効果を謳った未承認医薬品を広告することです。

それに対し、詐欺罪は、加害者の欺罔行為、被害者の錯誤、被害者の処分・交付行為、被害者から加害者への利益移転といった要素で構成されています。少し難しいですが、例を挙げて説明をすると、「実際には効能効果がないにもかかわらず、ガンに効く水であると広告をして購入申し込みを待つこと」(加害者の欺罔行為)、「被害者が広告を信じて、ガンに効く水と信じてしまうこと」(被害者の錯誤)、「被害者が当該水を、お金を出して購入すること」(被害者の処分・交付行為、被害者から加害者への利益移転)ということになります。

薬機法68条違反も、詐欺罪も、検察官が有罪であることを証拠によって立証しなければなりません。その観点から見ると、薬機法68条違反の方が詐欺罪の立証よりも難易度が低いことがよく分かります。つまり、薬機法68条違反は、あくまで未承認医薬品の広告が存在するということが中心的な立証対象です。広告が正しいか否かは問題とはなりません。しかしながら、詐欺罪の場合には、実際にはガンに効果がないことも立証対象としなければならなくなり、その立証の難易度は非常に高くなります(文系の私には、その立証方法もよく分かりません。)。

そういった理由もあって、警察官や検察官としても、立証しやすい薬機法68条違反(広告に着目すれば良い)を選択して逮捕に至ったのかもしれません。

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