化粧品および薬用化粧品の広告に関する法規制を詳しく解説します。化粧品の定義から効能効果の表現方法、薬用化粧品(医薬部外品)の特徴まで、広告作成時に注意すべきポイントを網羅的に紹介しています。景品表示法や薬機法に基づく最新の規制情報(2023年4月時点)を踏まえ、法令遵守と効果的な広告戦略の両立を目指す事業者の方々に役立つ情報をご提供します。
化粧品の広告に対する景表法の規制 (2023年4月最新版)
1. 化粧品の定義
薬機法第2条第3項による定義:「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」
注意:一般的に化粧品とイメージしない商品でも、この定義に当てはまれば化粧品に該当することがある。
2. 化粧品の効能効果
2-1 認められている効能効果
- 56種類の効能効果
- メーキャップ効果
- 「メーキャップ化粧品」による色彩的な効果(例:口紅、ファンデーション)
- その他の物理的効果
2-2 効能効果の言い換え表現
認められている表現と同じ意味内容であれば、言い換え表現も可能。ただし、文脈や広告全体から解釈して判断する必要がある。
3. 薬用化粧品
3-1 薬用化粧品の定義
薬用化粧品 = 医薬部外品(化粧品としての使用目的を併せ持つもの)
3-2 医薬部外品の定義
薬機法第2条第2項による定義:「人体に対する作用が緩和な以下の物」
- 特定の目的(不快感防止、脱毛防止など)のために使用される物
- 害虫等の防除に使用される物
- 人の疾病の診断、治療、予防や身体機能に影響を及ぼす物のうち厚生労働大臣が指定するもの
3-3 医薬部外品の効能効果
当局の承認を得た効能効果のみ表示可能。承認された効能効果に加え、有効成分の働きについても医学薬学上の事実であれば広告可能。
3-4 医薬部外品の広告の注意点
- 効能効果は配合されている有効成分による効果のみを指す
- 有効成分以外の成分について、医薬部外品の効能効果があるかのような広告は不可
- 承認を得ている有効成分と効能効果の関係を適切に表現する必要がある
4. 広告作成時の重要ポイント
- 商品に含まれる有効成分を正確に把握する
- 承認を得ている効能効果を理解する
- 効能効果と有効成分の関係(作用機序)を適切に表現する
- 広告全体の文脈から受ける印象に注意する