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機能性表示食品の広告に対する注意点

機能性表示食品とは

機能性表示食品制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。

この制度に基づいた食品を「機能性表示食品」といいます。

例えば、皆さんも、○○という成分は高めの血圧を下げる効果が報告されている、△△という成分は高めの中性脂肪を低下させる効果が報告されている(このような機能が認められている成分を機能性関与成分といいます。)などと記載されている商品を見たことがあると思います。このような内容が記載されている商品の多くは、機能性表示食品です。

機能性表示食品のポイントは、事業者がその責任をもって科学的根拠に基づいて機能性を表示している点です。同じ保健機能食品である特定保健用食品と異なり、機能性表示食品は、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。

つまり、事業者が根拠としている科学的根拠が裏付けとならない場合には、届出内容と合致した広告であったとしても、景品表示法や健康増進法違反とされる可能性があります。

消費者庁は機能性表示食品についても摘発や指導をしている

(1)はじめに

機能性表示食品制度は、平成27年4月に始まった、比較的新しい制度です。また、機能性表示食品制度は、機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やし、消費者が商品の正しい情報を得て選択できるようにという趣旨で始まりました。

その甲斐もあってから、機能性表示食品は非常に増えてきています。そして、それとともに、不適切な広告も増えてきているようです。そのため、消費者庁は、機能性表示食品に対する景品表示法や健康増進法に基づく法適用を行ってきています。

以下、過去の事例とともに見ていきましょう。

(2)届出内容を逸脱した広告で措置命令が出た事案

平成29年11月7日に、消費者庁は、葛の花由来イソフラボンを機能性関与成分として痩身効果を標ぼうする機能性表示食品の販売業者16社に対し、16社が供給する機能性表示食品の表示について、景品表示法に違反する行為(優良誤認)が認められたことを理由として、措置命令を出しました。

葛の花由来のイソフラボンは、肥満気味な方の体重、お腹の脂肪(内臓脂肪や皮下脂肪)、ウエスト周囲径を減らすのを助ける機能があることが報告されています。ですので、本来であれば、届出内容を基に広告をしなければなりません。

しかしながら、措置命令を受けた16社は、上記の届出内容を超えて、痩身効果、さらには、何もせずとも痩せるといった広告をしてしまったがために、優良誤認に該当すると判断され、措置命令が出たとされています。

つまり、届出内容を逸脱した広告によって措置命令が出たといえます。なお、上記の事案は、機能性表示食品に対する初の景品表示法上の措置命令で、機能性表示食品にも措置命令が出るということで、非常に騒がれました。

(3)根拠資料が不適切であったために措置命令が出た事案

令和5年6月30日に、消費者庁は、血圧を下げる、中性脂肪を下げる、LDLコレステロールを抑えること標ぼうする機能性表示食品の販売業社に対し、同社が供給する機能性表示食品の表示について、景品表示法に違反する行為(優良誤認)が認められたことを理由として、措置命令を出しました。

本件について消費者庁から公表された内容を確認すると、消費者庁が、販売業者に対し、景品表示法7条2項(不実証広告規制)に基づいて当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から提出された資料が合理的な根拠を示すものであるとは認めることができないと判断したようです。

この内容からは、機能性関与成分の問題というよりは提出された資料に不備があったのか、そもそも機能性関与成分が機能性を有していなかったのか分かりにくいところですが、実際のところは、前者であったようです。つまり、機能性表示食品として届け出をする際に提出する科学的根拠に不備があったということが原因で優良誤認であると判断され、措置命令が出たということのようです。

これは、機能性表示食品に関し、根拠資料が不備であることを理由として措置命令が出たのは初めての事案となります。なお、仮に、そもそも機能性関与成分が機能性を有していなかった場合でも、優良誤認と判断されると考えられます。

(4)切り出し表示についても注意

令和4年3月31日、消費者庁は、認知機能に係る機能性を標ぼうする機能性表示食品の表示に関する改善指導及び一般消費者等への注意喚起についてと題して、公表資料を公表しました。

公表資料によると、これには2つの類型が含まれており、1つが景品表示法及び健康増進法に基づく改善指導がなされたものです。3事業者3商品あり、以下のようなものがありました。

①物忘れや認知症の治療や予防効果等の医薬品的効果効能が得られるかのような表示
②届出表示の一部を切り出して強調することで届出された機能性の範囲を逸脱した表示
③機能性表示食品を摂取しても解消に至らないにもかかわらず身体の組織機能等に係る不安や悩みを列挙した表示
④届出表示の内容について消費者庁の許可や承認を受けているかのような表示
⑤実験結果及びグラフを用いることにより届出された機能性の範囲を逸脱した表示

このような表示を改善指導に留めた理由としては、スピードを重視した(措置命令を出すとなると、調査に時間がかかり、その間に被害が出る恐れがある。)と言われていますが、表示内容を見ると、景品表示法、健康増進法、薬機法のいずれにも違反すると考えられる表示もあります。

また、もう1つの類型が健康増進法に基づく改善指導がなされたものです。これは、112事業者128商品があり、以下のようなものがありました。

①届出された機能性の科学的根拠が得られた対象者の範囲が限定されているにもかかわらず、当該対象の範囲外の者にも同様の機能性が期待できるものと訴求する表示
②届出表示の一部を切り出して強調することで、届出された機能性の範囲を逸脱した表示
③機能性表示食品を摂取しても解消に至らないにもかかわらず身体の組織機能等に係る不安や悩みを列挙した表示
④届出表示の内容について、消費者庁の許可や承認を受けているかの表示
➄実験結果及びグラフを用いることにより、届出された機能性の範囲を逸脱した表示を行う場合

最初の類型と重複するような内容もありますが、ここで注意をしてほしいのは、切り出し表示です。

広告を作成する際、届出内容をそのまま抜き出さず、訴求したい部分を強調するために切り出して表示することはよくあると思われます。

しかしながら、訴求部分を強調したいがために、限定された条件であったり(対象者が中高年であるにもかかわらず、全ての年代に効果があると誤認させる等)、作用機序の一部を切り出してしまったり(血流の改善から認知機能の一部を維持するという効果であるにもかかわらず、脳の血流改善と切り出す等)して、結果として違法な広告となってしまう可能性があります。

なお、機能性表示食品の定義を異なる形で表示して(国の商品を得た等)アピールするといった広告も散見されますが、このような広告も違法と評価される可能性が高いです。

まとめ

以上のとおり、消費者庁が機能性表示食品に関して、過去に摘発や指導をしてきた事案を見てきましたが、機能性表示食品については、以下のような点に注意して広告をすることを心掛けるのが良いように思います。

  • 届出内容に沿った形での広告
  • 機能性関与成分と根拠資料の合致を確認してから広告
  • 切り出し表示をする場合には、届出内容とのずれがないか確認してから広告

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