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化粧品で消費者に損害を与える前に。知っておくべき製造者責任法(PL法)と賠償金

消費者センターや国民生活センターに寄せられる最も多い相談は化粧品による皮膚トラブルと言われています。また、エステサロンでも同様に消費者に害を与えてしまうケースも多く見られます。そこで今回は化粧品やエステサロンにおいて、消費者に害を与えた場合の対処方法と事前に防ぐためのポイントをご紹介します。

皮膚トラブルについての賠償金の考え方

販売元である化粧品メーカーはその販売する化粧品を消費者が購入した場合、契約書というものが存在しませんが、責任があります。その責任をメーカーが怠っていたとすれば当然、損害賠償の請求が要求されてしまいます。

化粧品での皮膚トラブルと言えば記憶にも新しい、某大手化粧品による白班の被害。化粧品メーカーさんのために今一度この事例を解説します。本件において、消費者が某大手化粧品会社に損害賠償を求めた際、同社はPL法と呼ばれる製造者に問われる責任の免責を主張していました。さて、PL法とはどのような法律なのでしょうか。

事前に確認しておくべきポイント

製造物責任(PL法)とは、化粧品を製造する際の欠陥により消費者に損害が生じた場合、製造業者等の損害賠償責任について定めた法規です。欠陥とは、次のような場合を指します。

1)設計自体に問題があるために安全性を欠いた場合
これは、化粧品に配合された成分の安全性や配合率による効果などに安全性が検証されずに製品が設計されてしまった場合、それを依頼した販売元なのか依頼を受けた製造元なのかまたはどちらにもその安全性の確認していなかったとすれば設計上の欠陥ということです。

2)製造物が設計や仕様どおりに製造されなかったために安全性を欠いた場合

これは安全性の検証をしているのにも関わらず、製造段階で設計や仕様通りに製造されなかったために被害を与えてしまった場合、欠陥とみなされます。例えば販売元である化粧品メーカーが、製造元に設計し依頼した成分配合率などが安全を確認した上で依頼通りになってできているのかで販売元に責任が問われるか、製造元に問われるか異なります。

3)指示・警告上の欠陥(設計指示の抗弁)
製造物から除くことが不可能な危険がある場合に、その危険に関する適切な情報を与えなかった場合。取扱説明書の記述に不備がある場合などが該当する。

これは販売元が化粧品を消費者に販売する際に、危険性や取扱い上の注意などの情報を開示せず販売した場合が欠陥とみなされます。また、販売元が製造元にその危険性を正確に伝えたのにも関わらずそれを無視した場合にも製造元の欠陥とみなされます。

また、ドラッグストアや卸業者にもその保管方法を伝えたにも関わらず、怠ったことで消費者に被害を与えた場合はその製品を販売したドラッグストアや卸業者も欠陥としてみなされます。

このように、何かしらの欠陥により製造物責任を怠った場合は製造元に賠償責任が発生します。
賠償金自体は、被害内容により考え方が様々で某大手化粧品会社のように大きなトラブルにもなりかねません。欠陥ないよう事前に1つ1つの事項を書面に残すなど対処方法を見いだすことが必要です。

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